アレルギーとは人体の免疫機能が、人体に大きな害を与えない物質に対しても過剰に反応する症状で、子供の頃からアレルギーが発症する場合と、大人になってから発症する場合など様々なケースが存在します。
どのような物質にアレルギー反応が生じるかは、病院の血液検査でおおよそ判明します。
全体的にアレルギー体質であるかを調べる検査と、食べ物や植物等のどの物質でアレルギーが生じるか検査項目を絞って検査する方法があります。
しかしこれらの検査は、原因物質と接触したり、体内に入った際にすぐ症状が現れる即時型アレルギーに対してのみ有効で、数日経過してから出てくるアレルギーに対しては、採血による検査は難しいのが現状です。
子供の血液検査の場合、小さな子供は血管が見えにくく採血が難しい場合がありますので、ある程度成長を待ってから血液検査を行う事も考えられます。
血液検査で同時に調べられる検査項目は13種類までなので、検査を行う際にはアレルギーが疑わしいと思われるものを選択するのが一般的です。
検査項目が絞れない場合、専門家である医師に相談してアドバイスをもらって下さい。
アレルギー反応を抑えるには、発作や発症を抑える抗アレルギー薬が用いられます。
抗アレルギー薬は副作用が少なく、速効性には欠けますが長期的に服用する事が可能な薬剤で、小児からでも服用できる薬が存在します。
また、喘息発作に用いられる吸入タイプの薬のように、局所的に使用するなど症状に合わせた種類があるのが特徴です。
注意するべき点として、抗アレルギー薬は一般的に予防薬として使用する薬で、アレルギー体質そのものを改善する薬ではなく、あくまで予防薬や発作を抑えるために用いられます。
抗アレルギー薬による治療と薬のシート数
抗アレルギー薬には様々なタイプがあり、皮膚などのアレルギー症状にはシートタイプのものも販売されているのですが、第二世代の抗ヒスタミン剤ではないので眠気などの副作用が出る可能性があります。
抗アレルギー薬によるアレルギー性鼻炎や喘息などの治療には1日1回から2回程度服用をする抗アレルギー薬が処方されていて、1シートで10錠となっているのが一般的なので、1ヶ月分になると3シート程度になります。
花粉症の場合は治療期間が限られているので、処方される薬の数も少ないのですが、ダニやハウスダストの場合は1年と通じてアレルギー症状が出るので、治療のために毎日1錠から2錠の抗アレルギー薬の服用が必要になります。
喘息などの症状が重い場合にはこれに加えて吸入薬が処方されるのですが、ステロイド薬なので使い続けなければ効果を実感することができません。
またアレルギーを根本的に治療する場合には、原因物質を特定してそれを取り除くことが重要なので、ダニの場合にはカーペットや布団などを毎日掃除機で吸引してダニのしがいやハウスダストが少ない状態を保つことが大切です。
掃除機などによって除去されるダニは全体の8割程度とされているので、全てを死滅させることはできません。
しかし布団乾燥機などで急激に温度を上昇させるとダニが死滅するので、布団乾燥機でダニを死滅させて、その後に掃除機で死がいを吸引することでダニによるアレルギーを軽減させることができます。
抗アレルギー薬は花粉症の場合にはその季節になってから薬を服用することで効果を発揮しますが、予防的に服用するよりも症状が出てから点鼻薬などを使って対処するほうが良い場合もあります。
アレルギーに効く有効成分は保健対応？
アレルギーに効果的な食品としては特定保健用食品に指定されているヨーグルトがありますが、食べ続けなければ効果が実感できないのでアレルギーをどの程度軽減できるかに関しては個人差があります。
アレルギーを抑える効果のある乳酸菌は腸内環境を整えることで、アレルゲンの吸収を阻害する働きがありますが、薬のように効果を実感することができないので、健康保険の対象にはなりません。
アレルギーに関しては根本的に治療するのが難しいので、特定のアレルゲンに対して対症療法をする以外の治療法はあまりありません。
スギ花粉の場合はくしゃみや鼻水の症状が多いので、これらの症状に効果的な抗ヒスタミン剤を投与します。
乳酸菌の他にもアレルギーに効果的であるとされる成分はありますが、サプリメントとして販売されているものは基本的には薬よりも値段が高いので、コストパフォーマンスを考える場合は抗ヒスタミン剤を服用するほうが費用がかかりません。
食品アレルギーは卵や乳製品などで起きることが多いのですが、新鮮でない刺し身を食べるとアレルギーの原因となる物質が多く含まれているので、食品アレルギーになったことがない人でも蕁麻疹が起きることがあります。
魚や鶏肉などは劣化をすると蕁麻疹などの症状が出やすい食品なので高齢者などは注意が必要です。
抗ヒスタミン剤に関しては眠気が強いとされてきましたが新しいタイプの抗ヒスタミン剤に関しては眠気や集中力の欠如などの副作用がほとんどないとされているので、安心して服用することができますが、体調によっては眠気を感じることがあるので、車の運転や細かい作業などをする場合にはなるべくスプレータイプの薬を使ったほうが安全です。